使いやすい収納の奥行とは？しまう物に合わせたサイズ

奥行きが深い収納は、住んでからの悩みのタネになります。

住宅収納に欠かせない、クローゼット・パントリー・ウォークインクローゼットに適した奥行きをわかりやすく解説します！

収納の基本寸法

住宅は、柱芯で910mm（=91cm）を基本に寸法が決まります。

収納も奥行きが91cmになる場合が多く、イメージしやすいのは、和室の押し入れの奥行き。

奥行き91cmは、お布団をしまうにはちょうどいいですが、洋服をかけたり棚板をつけて細かいものをしまうには深すぎます。

使いやすい収納の奥行き①クローゼット

クローゼットは洋服をかける場所で、枕棚とステンレスパイプがセットになった洋服掛けがセットです。

設計の寸法は柱芯で描きますので、内法（実際にものが置ける）寸法ではありません。

75cmの柱芯寸法では、内法は62cmになります。

ハンガーの幅は40cmです。

厚手のダウンやコートをかけると、腕のあたりでは60cmくらいになるので、クローゼッットは柱芯75cm取れるとベターです。

新築住宅の図面チェック（セカンドオピニオン）を別サイトで請け負っていますが、収納と部屋の広さを考えたうえで、奥行きの変更をよく提案しています。

図面チェックは、ココナラというサイトで出品していますので、「うちもチェック受けてみようかな」「ちょっと第三者の意見を聞いてみたい」ときにお気軽にお問い合わせください。

使いやすい収納の奥行き②パントリー

パントリーは、クローゼットのように扉を開けて物を入れる使い方と、人が歩いてウォークインクローゼットのように使う場合が考えられます。

クローゼットタイプのパントリー

パントリーは食材やキッチンストックを収納するので、棚板の奥行きは浅めが使いやすい場所。

棚板の奥行きから必要なパントリーの柱芯の奥行きは、次のようになります。

※棚板+12cmの余裕（ボードの厚みは12.5mmで計算）を見込んでいますが、設計段階の方は担当の方に確認してみて下さいね！

パントリーの棚板の奥行き

棚板の奥行きは、載せるものによって使いやすいサイズがあります。

棚板の奥行き30cmは、食器棚として。

一般的な大皿は26～28cmですが、お持ちの一番大きいお皿を測ってみましょう。

棚板の奥行き35cmは、リビングの書類整理や小型家電を収納するのに向いています。

上の写真（↑）は、自宅の奥行き35cmの収納です。

A4書類ケース（ニトリ）を横に置くことはできますが、引き出し式のA4収納（無印良品）は少しはみ出しました。

ゆとりを持たせて、40cmの奥行きの棚板にすると、電子レンジ以外の家電はほぼ置ける深めの棚に。

家電のなかでも電子レンジは置く場所も奥行き50cmは必要で、例えばヘルシオ（2019年モデルAX-XW600）は本体奥行き43cm・背面のスペースは不要、となっています。

ウォークインタイプのパントリー

棚板の寸法は、上のクローゼットタイプのパントリーと同じです。

人が歩くには最低60cm必要なので、棚板の奥行き+60cmが、パントリーの内法寸法になります。

補足：横歩きなら45cmでも通れますが、物を出し入れする場所ではおすすめしません。

使いやすい収納の奥行き③ウォークインクローゼット

ウォークインクローゼットでよくある寸法は、1,820mm×1,820mmの2帖タイプですが、ここに向かい合わせでパイプを計画すると通路が狭くなります。

建築の基本寸法は1,820mmですが、洋服をかけるスペース（60cm×2）と通路（60cm）を内寸で確保するため、1,930mmに広げると見やすいウォークインクローゼットになります。

1,930mmは、住宅設計の基本モジュールでは合わなくなりますが、11cm広げるだけで通路の狭さが改善されます。