一級建築士ママのみゆです。
住宅設計をメインに16年間設計事務所に勤めた経験と、自宅の窓ガラスの部屋に暮らしてみた体感をもとに、型ガラスをわかりやすく解説します!
型(くもり)ガラスとは?
型ガラスの窓は、家の中・外は見えませんが、光は取り込める模様のついた板ガラスです。
型(かた)ガラスのほかに、くもりガラスや、すりガラスとも呼ばれますが、住宅の設計図では型ガラスと書かれていますね。
透明ガラスも型ガラスも同じガラスなので、太陽の光が通る量は同じと言われています。
型ガラスの明るさの感じ方
透明ガラスは直射日光がそのまま差すので、強い光と暗い場所とのコントラストがハッキリします。
型ガラスは部屋全体に光が拡散するので、晴れの日でもふんわりとした光の部屋に!
自宅キッチンの窓辺の画像で解説します。
上の画像は、窓を開けて透明ガラスの状況にしました。
カウンターの上は、明るいところと暗いところのコントラストが強く影の形がハッキリしてますね。
次は、型ガラスのサッシを閉めた写真です。
窓を開けた(=透明ガラス)状態に比べて、影があいまいな形になりました。
強く光るところもなくなり、全体的にふんわりと光が拡がっています。
自宅では、良く晴れた日に型ガラスの窓を開けると、直射日光の明るさに驚くことがあります。
型ガラスは、透明ガラスの60%くらいの明るさ(よく晴れた日に限る)に感じます。
くもりの日や太陽が窓から動いた後は、違いを感じないので、直射日光が窓に差す限られた時間帯だけですが・・。
理論上、透明ガラスも型ガラスも光の量は同じですが、日当たりの良い部屋で太陽の明るさを感じたい、と思う気持ちにマッチするのは透明ガラスだと思いました。
透明ガラスとは
透明ガラスのメリットは、視線の抜けを感じられる、日差しを感じられる、外の様子がわかることなど、建物の中で他に変えられない機能を持っていることです。
デメリットは、通りに面している窓は部屋の中が見られてしまうかもという心配がある、夜はカーテンやブラインドなどが必要になる、汚れが目立ちやすい・・など。
横長の窓を天井近くにつける方法がありますが、南や西からの光はまぶしい時間帯も(テレビに映りこむと見づらい)。
上の画像は、南側の吹き抜けFIXの透明ガラスではなく型ガラスからの光ですが、直射日光並みの光が差しています。
透明ガラスに足すことで暮らしやすくなるアイテム
住宅で透明ガラスを使いたい場所は、通りに面している場合が多いので、外からの視線をさえぎりつつ開放感を得る工夫が必要!
1.内側に型ガラスの窓をつける
引用:LIXIL
透明ガラスの窓の内側に、型ガラスの窓をつける方法で、2重の窓になります。
和室の障子をイメージしてもらえるとわかりやすいです(障子=型ガラス)。
メリット
・断熱性能や防音性もアップ
デメリット
・コストアップ
内側の型ガラスのサッシを開ければ、透明なガラスから太陽の光が差し込みます。
2.ダブルのロールスクリーンをつける
透明なガラスの窓にかける定番といえば、レースのカーテンですが、ロールスクリーンも1台でレースのスクリーンもかけられるダブル機能の商品があります。
ロールスクリーンのメリットは、ふんわりと室内が見えなくなっても室内からは外を感じやすく、レースの刺しゅうデザインがカーテンよりも見やすいのでおしゃれ感があること。
デメリットは、ウォッシャブルのロールスクリーンもありますが限られており、お洗濯の大変さは、カーテン < ロールスクリーン。
3.レースのカーテンをつける
手軽なのはレースのカーテンをかけることですが、長い時間を過ごす部屋には、レースも外が見やすい薄手のタイプをおすすめします。
通販のカーテン屋さんでも、無料サンプルを送ってくれますので、ガラスに貼って、家の中から・外から両方見え方を確認してみて下さい。
ちなみにわが家では、シングルタイプのロールスクリーンの窓に、後から自分たちでカーテンレールをつけレースのカーテンをかけました・・(想像以上に吹き抜けが明るく、外からよーく見えたためです)。
型ガラスと透明ガラスの違い一覧表
型ガラスと透明ガラスの違いをまとめると・・・
透明ガラス | 型ガラス | |
明るさ | 直射日光◎ | 部屋がふわっと明るい |
日射透過率 | あまり変わらない | |
可視性 | 中からも外からも見える | 見えない |
汚れ | 目立ちやすい | 見えにくい |
使用場所 | 明るさや目線の抜けが欲しい部屋 | 脱衣室、浴室、トイレなどプライバシーに配慮したい場所 |
型ガラスの凸凹面は室内側に向いているとはいえ、外側は普通に汚れますが、透明ガラスよりも目立たない感じがします。
居室の型ガラスの使い方
隣の家が近い場合、型ガラスの窓を採用するのはどうなんだろう?という疑問がよくあります。
寝室や子ども部屋は窓の配置も限られるので、メインの窓は、透明ガラスの窓にダブルのロールスクリーンやレースのカーテンなどで、透明窓も視線を遮る工夫もどちらも選べる方法をおすすめします。
幅が狭い窓など、サブの窓は型ガラスで良いと思いますが、大きな窓は目で開放感やリフレッシュをする場所なので、透明であることは大事ですよね。
とはいえ、見たくない建物があったり、よその窓が近かったり・・という場合には、逆にストレスになってしまいますので、内側に型ガラスの2重窓をつけることも検討して下さい。
外の視線をやわらげる方法は、大きな窓をやめて幅の狭い窓を複数つけるという方法もあります。
以上。
設計で気を付けていたことや、私自身が型ガラスのある家に住んでいて感じたことをまとめました。
また気が付いたことがあったら、追記していきたいと思います。
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ちなみに今回の型ガラスについては、「イメージが湧かない・・」とご相談を受けたり、打ち合わせでもよく疑問にされることがありましたのでまとめてみました。
それでは、この辺で!
ではではー